アンジェリーナ・ジョリー、ボスニアでの撮影許可が取り消しに 初監督作品で [芸能ニュース]
【10月15日 AFP】米女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)が初監督を務める映画のボスニアでの撮影許可が取り消されたことに対し、ジョリー側は14日、取り消し撤回を求めるためにボスニア・ヘルツェゴビナ当局に脚本を提出したことを明かした。
同作品は1992~95年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を舞台にしたラブストーリーだが、地元メディアがセルビア人男性とこの男性にレイプされた被害者女性との恋愛が描かれると報じたことから、戦争で犠牲になった女性たちの団体が猛反発。当局が撮影許可を取り消した。
ボスニア文化相は13日のラジオ放送で、脚本を読んだという人たちから聞いた話とは違う内容の脚本が提出されれば取り消しを見直すと語った。
戦争犠牲女性団体の代表者は、「戦争中にレイプされた女性の数多くの証言の中に、レイプした男性と被害者女性が恋に落ちたという話は1つもない。私たちの苦痛をねじ曲げることは許さない」と述べている。
今回の映画製作に携わっているサラエボの製作会社スカウトフィルム(Scout Film)の担当者は、「もちろん否定する。そんな話は脚本にはない」と説明。脚本を当局に提出し、良い返事を待っていると話した。
一方で、ハリウッドの大物と仕事をする機会がほとんどない地元の俳優たちの間では、撮影許可の取り消しを検閲だと非難する声も上がっている。
旧ユーゴスラビアで俳優として活躍したサラエボ県の文化相は地元紙オスロボジェニエ(Oslobodjenje)に、「これが、世界で既に忘れ去られたボスニアの悲劇を取り上げ、5~6人のボスニア人俳優をキャスティングしたアンジェリーナ・ジョリーに対する礼なのか?」とコメントしている。
映画は既にハンガリーでクランクインしており、11月にボスニアの首都サラエボ(Sarajevo)と中部ゼニツァ(Zenica)での撮影が行われる予定だった。(c)AFP/Rusmir Smajilhodzic
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